くぬぎのゲームBlog

毎週末なにか更新

テンポアドバンテージの正体

カードゲームにはアドバンテージという用語があります。有利な状況を表す言葉で、手札が多ければ「ハンドアドバンテージを得ている」、盤面を取っていれば「ボードアドバンテージを得ている」と表現されます。どれも具体的に説明できるもので、このジャンルの上級者で知らない人はいない概念でしょう。


では「テンポアドバンテージ」とは何を意味するのでしょうか。


これを正確に説明できる人はそういないのではないでしょうか。順当に考えると、テンポを取っているのが「テンポアドバンテージを得ている」状況でしょう。ではテンポとは何か。これは単純な日本語の「テンポ」とは異なる用語です。人によって定義も異なります。この感覚的に使っているカードゲームの「テンポ」をよく考えてみたところ、よりカードゲームのことを理解できた気がしたためまとめます。(ちょっと違うよー等ある場合はコメントいただけると嬉しいです)




Google で「テンポアドバンテージ」と検索すると一番上に出るのは Magic The Gatheringwiki ページです。(2017/11/26現在)
(Magic The Gathering:世界初のTCG。賞金制大会が定期的に開かれ、プロプレイヤーも数多く存在する)
テンポ・アドバンテージ - MTG Wiki

テンポ・アドバンテージ(Tempo Advantage)とは、1ターンに使える呪文や能力の回数に関するアドバンテージ(優位性)のこと。手得(手損)。 マナ・アドバンテージに似ているが、使用できるマナの総数ではなく呪文や能力のコストの差を問題にする場合が多い。

例えば双方が5マナ出せる状況で、プレイヤーAが5マナの呪文を唱え、それをプレイヤーBが2マナの対抗呪文/Counterspellで打ち消したとする。 その場合Bは3マナ分他の呪文や能力に使うことができる。 このときBは3マナ分のテンポ・アドバンテージが得られたことになる。

こうして得られたテンポ・アドバンテージは、ドロー系呪文などを使うことでカード・アドバンテージやハンド・アドバンテージに変えたり、パーマネントを出したり除去呪文に使うことでボード・アドバンテージに変えたりできる。 また何もせず自分のターンを迎えたら土地がアンタップするため、その時点でのテンポ・アドバンテージは失われる。

ここで僕が注目したのは、テンポは別の何かに変換されているものらしいということです。そして何に変換されるかはゲームやデッキによってそれぞれ異なるはずです。今までテンポだと思っていたものは、実は変換されたあとのものだったわけです。こう考えるとテンポをとても広い意味で捉えることができます。

手得・手損といった言葉から、テンポは効率で測られるものだと分かります。またテンポアドバンテージを得る機会は次のターンに持ち越せないこともわかります。余ったマナコストは次のターンに持ち越せないし1ターン遅いとその分効率が良くないということです。



「テンポ カードゲーム」で検索した時一番上に出るTredsredさんという方のブログは、非常に明快にテンポを説明しています。(2017/11/26現在)
(Tredsredさん:Hearthstoneの日本最上位プレイヤー、2017年春季世界選手権 アジア太平洋地域代表)

https://goo.gl/cxTAo7goo.gl

盤面の強さでテンポを判断しています。これはHS・SVが基本的に盤面を取り合うゲームであり、ボードアドバンテージが最も勝敗に直結するからでしょう(記事内でTredsredさんも述べています)。つまりこれらのゲームにおいてテンポは基本的に盤面に変換されるということです。
(このテンポについての記事はとても具体的で参考になるため、初心者の方なら読むことを強くお勧めします)



Shadowverseには、テンポ良く動いていると言えるはずなのに盤面が強くならないデッキがあります。そのデッキの名前は、超越ウィッチです。
f:id:kunugiz:20171126144337p:plain:w280
このターンのあと、自分の追加ターンを行う。スペルブースト コスト-1

(このデッキをShadowverseを知らない人向けに簡単に説明すると、次元の超越というエクストラターンを得られる呪文でワンターンキルを狙うデッキです。SVにはスペルブーストという効果があり、これを持つカードが手札にある時に呪文を唱えるとその回数分マナコストが低くなったりダメージが増えます。次元の超越はスペルブーストによりマナコストが低くなるので、これを利用し次元の超越と共にカードを盤面に出しワンキルを狙います。大体8ターン目くらいでワンキルされます。)

このデッキにおいてテンポはスペルブーストによる手札のバリューに変換されています。マナコストを使い切ってドローカードや除去をテンポ良く使い、次元の超越のコストを下げていく事はテンポアドバンテージを得ていると呼べると思います。



テンポが変換され、テンポアドバンテージが蓄積されている場所はゲームやデッキごとに違う場合があります。テンポアドバンテージの正体は常に同じものではないのです。今回は盤面や手札でしたが、ここ以外の場所にテンポアドバンテージを蓄積するデッキもあります。そういった視点を持ってみると、よりゲームへの理解が進むと思いました。

f:id:kunugiz:20171126151607j:plain:w200
この人とか

(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
(C)SUGIYAMA KOBO